R2年度「文章講座」を開催しました
★第1回・2回ともに定員に達しましたので受付を終了します
9月12日(土)に当館と風花随筆文学賞実行委員会主催で、第1回文章講座を開催しました。今回は新潮社の森重良太氏に、「ひとに読まれるエッセイ〈構成〉術」と題し、読者を惹きつけるエッセイの書き方についてお話しいただきました。
まず、エッセイの語意が「試す」であることを紹介され、モンテーニュが自著のタイトルを「エッセイ」としたのは、様々な出来事について自己の思いを書こうと試みたという表明であったことを説明しました。
また、人を惹きつけるエッセイは、世阿弥が『風姿花伝』で語った「序破急」で構成されいていることを紹介され、それぞれの特徴を明確にしつつ、書くべき内容の違いや感情の込め方を説明しました。
参加者からは「簡潔で分かりやすかった。90分が短く感じた」「文章を書きたいという気持ちが生まれた」など多くの反響がありました。
講座では、風花随筆文学賞応募規定なども交え、エッセイの構成や書き方についてもお話いただきました。第24回風花随筆文学賞の締め切りは一般の部は2020年10月31日、高校生の部は12月15日当日消印有効です。ご応募をお待ちしております。
9月19日(土)に第2回文章講座を開催しました。今回は地元福井で活躍されている作家の張籠二三枝氏を講師に、「エッセイという表現」と題してお話しいただきました。
張籠氏はまず、身の回りに起こる平凡なことを題材にしても読者を惹きつけるすばらしい作品が書ける例として、三好達治のエッセイ「小動物」を紹介しました。そして、何を書くか選択することがすでに表現であり、結論めいたものは書かなくてもよい、大事なことは根本に「これを読者に伝えたい」という強い気持ちがあることだということを、室生犀星のエッセイ「顔というもの」に触れながら説明されました。
次に押さえるべきポイントとして、キーワードや文章全体の構成を意識すること、書き出しと結びは慎重にすること、一文の長さを短くし具体的な内容にすることなどを挙げ、こういった特徴を見事に表している作品として志賀直哉のエッセイ「朝顔」を紹介しました。参加者は、細かく描写された風景、年齢とともに変化する朝顔への想い、そして毒虫対策のため育てている朝顔が全く逆の事態を引き起こす展開の妙など、すばらしい表現を味わいました。
開催日 | 2020年 9月12日(土)・ 19日(土) |
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開催時間 | 14時00分~15時30分 |
会場 | 福井県立図書館 多目的ホール |
講師 | 第1回 森重良太氏 第2回 張籠二三枝氏 |
内容 | 風花随筆文学賞応募者の、文章力向上を支援する、エッセイの書き方講座です。 |
定員 | 第1回・第2回 それぞれ40名(要申込) |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 定員に達しましたので受付終了します |
第1回文章講座を開催しました
9月12日(土)に当館と風花随筆文学賞実行委員会主催で、第1回文章講座を開催しました。今回は新潮社の森重良太氏に、「ひとに読まれるエッセイ〈構成〉術」と題し、読者を惹きつけるエッセイの書き方についてお話しいただきました。
まず、エッセイの語意が「試す」であることを紹介され、モンテーニュが自著のタイトルを「エッセイ」としたのは、様々な出来事について自己の思いを書こうと試みたという表明であったことを説明しました。
また、人を惹きつけるエッセイは、世阿弥が『風姿花伝』で語った「序破急」で構成されいていることを紹介され、それぞれの特徴を明確にしつつ、書くべき内容の違いや感情の込め方を説明しました。
参加者からは「簡潔で分かりやすかった。90分が短く感じた」「文章を書きたいという気持ちが生まれた」など多くの反響がありました。
講座では、風花随筆文学賞応募規定なども交え、エッセイの構成や書き方についてもお話いただきました。第24回風花随筆文学賞の締め切りは一般の部は2020年10月31日、高校生の部は12月15日当日消印有効です。ご応募をお待ちしております。
第2回文章講座を開催しました
9月19日(土)に第2回文章講座を開催しました。今回は地元福井で活躍されている作家の張籠二三枝氏を講師に、「エッセイという表現」と題してお話しいただきました。
張籠氏はまず、身の回りに起こる平凡なことを題材にしても読者を惹きつけるすばらしい作品が書ける例として、三好達治のエッセイ「小動物」を紹介しました。そして、何を書くか選択することがすでに表現であり、結論めいたものは書かなくてもよい、大事なことは根本に「これを読者に伝えたい」という強い気持ちがあることだということを、室生犀星のエッセイ「顔というもの」に触れながら説明されました。
次に押さえるべきポイントとして、キーワードや文章全体の構成を意識すること、書き出しと結びは慎重にすること、一文の長さを短くし具体的な内容にすることなどを挙げ、こういった特徴を見事に表している作品として志賀直哉のエッセイ「朝顔」を紹介しました。参加者は、細かく描写された風景、年齢とともに変化する朝顔への想い、そして毒虫対策のため育てている朝顔が全く逆の事態を引き起こす展開の妙など、すばらしい表現を味わいました。