伊藤柏翠生誕110年記念文学講座「天性の俳人伊藤柏翠と、愛子の生涯」
開催日 | 2021年6月13日(日) |
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開催時間 | 14時00分~15時30分 |
会場 | 福井県立図書館 多目的ホール |
講師 | 山岸 世詩明氏(ホトトギス同人) |
内容 | 伊藤柏翠の直弟子である山岸氏が、柏翠、森田愛子、高浜虚子との思い出を語り、代表句の優れた点や後世に与えた影響を解説します。 |
定員 | 50名(要申込) |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 電話かFAX、メールにてお申し込みください。申込書の文学館持参も可。 申込先:TEL:0776-33-8866 FAX:0776-33-8861 MAIL:[email protected] |
伊藤柏翠生誕110年記念文学講座を開催しました
6月13日(日)福井県立図書館多目的ホールにおいて、俳人の山岸世詩明氏を講師に、伊藤柏翠生誕110年記念文学講座「天性の俳人伊藤柏翠と、愛子の生涯」を開催しました。
講義では、まず江戸時代の俳諧が正岡子規によって俳句へと変革していく流れを話されました。そして後を継いだ二祖と呼ばれる高浜虚子が、五七五調と季語を重んじ、平明な客観写生を提唱したことを説明されました。また仏文学者の桑原武夫が俳句は第二芸術と批判した際、虚子が「俳句が二番目の芸術になったとは有り難い」と悠然と述べたエピソードも紹介されました。
続けて伊藤柏翠について、彼の複雑な生い立ちや俳句との出会い、自らも入所していた結核療養所での俳句指導の様子などを当時の句を引用しながら話されました。そして柏翠の言葉「花鳥巡禮」とは、全国を巡礼して山川草木、鳥獣虫魚を詠むことだと解説されました。
最後に森田愛子を紹介し、柏翠と同じく複雑な生い立ちであること、療養所での柏翠との劇的な出会いと俳句への目覚め、柏翠の師・虚子と交流するに至った経緯などを語られました。
病弱な愛子に接する虚子の温かい人柄、生涯でたくさんの句を作り、死の間際まで詠み続けた柏翠、愛子の姿は、参加者に深い感銘を与えました。