タイトル | 著者 | 出版者 | 内容 |
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栄光の岩壁 | 新田次郎 | 新潮社 | 山で遭難し凍傷で両足先の大半を失った竹井岳彦。青春を山にかけた青年が、不屈の精神でクライマーに成長する物語。
福井へやってきた岳彦は、かねてから興味を抱いていた東尋坊へ向かい、強い風や容赦なく吹きつける海水に難儀しながらも、東尋坊の崖を登りきる。 |
断崖(『曽野綾子選集2』) | 曽野綾子 | 読売新聞社 | 飛び込みが得意な丈四郎は、ある夏の日、高さ34メートルもある屏風岩の頂上から飛び込む実験をすることになる。高くけわしい岩、そして大勢の観客を前に果たして飛び込みは成功するのか。
屏風岩は東尋坊がモチーフとされている。著者の母は坂井市三国町出身。 |
鳥の歌 | 五木寛之 | 講談社 | 鳥のように自由に飛び、自由に生きたいと願う編集者の矢沢謡子と娘のチエ子を描いた小説。
チエ子たちは謡子の前夫を追って、津和野、出雲、小浜と車を走らせ三国へ向かう。三国は下巻に登場し、荒磯遊歩道や三国港が描かれている。 |
故郷の花 | 三好達治 | 創元社 | 三好達治が雄島村(現坂井市)滞在中に刊行した詩集。タイトルは紀貫之の歌にちなんだもの。
本書収録の荒涼たる海を感傷的に謳った「荒天薄暮」は、東尋坊の詩碑に刻まれている。 |
天上の花 | 萩原葉子 | 新潮社 | 著者は萩原朔太郎の長女。三好達治に幼い頃から慈しまれた著者が、漂泊の詩人三好を描く。
第6回田村俊子賞、第13回新潮社文学賞受賞。 |
恐怖の海東尋坊 | 西村京太郎 | 文藝春秋 | 自宅の留守番電話に吹き込まれたメッセージの謎を解くため、日下刑事は東尋坊にとんだ。
冬の日本海を舞台にしたミステリー。 |
行きつ戻りつ | 乃南アサ | 文化出版局 | 受験を目前に控えた息子が突然家出、越前海岸で警察に保護される。いっしょに越前海岸を旅していくうちに、母子の心のわだかまりが少しずつ溶けていく。
冬の日本海を旅し、海岸に咲く水仙や海の見える温泉が登場する。 |
越前海岸殺人事件 | 山村美紗 | 中央公論社 | 赤ん坊の頃、香港で航空機事故に遭い両親を失った高岡千佳子。彼女は奇跡的に一命を取り留め、京都に住む資産家の祖父母の手で育てられた。
それから20年、千佳子は大学の卒業旅行で越前海岸へ旅行中、小林という男と知り合う。彼もまた、その事故の生存者だった。
紫式部公園や陶芸村が物語に登場する。 |
たびを | 花村萬月 | 実業之日本社 | スーパーカブで日本を一周する旅に出た浪人生のひと夏を描く長編ロードノベル。
第十章「日本海だ」では、敦賀から河野、越前海岸を通って東尋坊へ、夏の海岸線をツーリングする。 |
蛍川 | 宮本輝 | 筑摩書房 | 14歳の少年が思春期の入り口で直面した生と死の物語。目覚めた性への戸惑い、友人の突然の死や老いた父の死。父と母それぞれの複雑な過去がオーバーラップする。
主な舞台は富山だが、越前岬がこの小説を象る大事な支柱として登場する。
第78回芥川賞受賞作。高校国語の教科書にも採用された作品。 |
海の仙人 | 絲山秋子 | 新潮社 | 宝くじを当て、敦賀で隠遁生活を送る河野勝男。ある朝いつものように水晶浜に出かけると、神様のできそこないだという不思議な存在に出会う。
透きとおる美しさの水島や敦賀の海を背景にした、切ない愛の物語。
第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。 |
愛の幻滅 | 田辺聖子 | 光文社 | 福井への一人旅に出かけた眉子は、電車の中で妻子ある東野と出会い、深い仲になっていく。同僚からプロポーズされるが、東野とは離れられない。そんな中、二人は夏休みに敦賀旅行に出かけ、海と民宿だけの田舎の生活を満喫する。
文中、敦賀半島の海岸が美しく描写されている。 |