タイトル | 著者 | 出版者 | 内容 |
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蓮如 | 丹羽文雄 | 中央公論社 | 著者が10年をかけて蓮如の生涯を書き上げた、全8巻の大作。第6巻では、蓮如一行が布教拠点を探すため吉崎を視察した様子が、第7巻では、激化する他宗派との抗争から逃れるために吉崎を去る場面が、第8巻では、4月下旬に吉崎で行われる蓮如忌に思いを馳せるくだりが登場する。
蓮如は1471(文明3)年、本願寺勢力の伸長を恐れた他宗の迫害を逃れて吉崎に移り、わずか4年間の滞在中、吉崎御坊を中心に一大宗教都市を築いた。 |
道元禅師 | 立松和平 | 東京書籍 | 曹洞宗の開祖・道元禅師の生涯と思想に迫る長編小説。
下巻では、山の緑が目に鮮やかな夏に、京から敦賀、木ノ芽峠を越え、越前へと向かう旅路が描かれている。
第35回泉鏡花文学賞受賞。 |
佐々木小次郎 | 村上元三 | 新潮社 | 直木賞作家村上元三による小説で、幾度となく映画化された。この作品では、小次郎を越前宇坂の里に住む富田流の開祖・富田勢源に拾われた孤児と設定。一乗滝での立ち合いの他、小次郎は北ノ庄城下の魚町などにも登場する。 |
新田義貞 | 新田次郎 | 新潮社 | 鎌倉幕府を滅ぼし、後醍醐天皇らとともに乱世を走り抜けた武将・新田義貞の生涯を描く歴史小説。
建武の新政後、越前に下向して再起を図ろうとするが、足利方との戦いは長期化し、灯明寺畷で不運の最期を遂げる。 |
盲目物語 | 谷崎潤一郎 | 中央公論社 | 浅井長政、柴田勝家の二人の武将に嫁ぎ戦国の乱世を生きたお市の方と三人の娘の境涯を盲目の法師に語らせた小説。勝家とお市の方の北ノ庄での最期が美しい文章で表現されている。 |
金ケ崎の四人 | 鈴木輝一郎 | 毎日新聞社 | 義弟・浅井長政の突然の裏切りにより、敵地・金ヶ崎城で孤立した織田信長。信長、秀吉、光秀、家康、のちに天下を狙う4人の武将の試行錯誤、迷走と決断をコミカルに描く。
敦賀が主な舞台となっている。 |
忠直卿行状記 | 菊池寛 | 岩波書店 | 大名ゆえの孤独から、家臣への不信が募り乱行がエスカレート、配流となるまでの福井藩主松平忠直の生涯を描く短編歴史小説。 |
そろばん武士道 | 大島昌宏 | 新潮社 | 幕末から明治初期にかけての大野。莫大な借金を抱えた大野藩で、藩営商店「大野屋」を全国展開するなど財政立て直しを図った内山七郎右衛門の活躍を描いた歴史小説。 |
天狗争乱 | 吉村昭 | 朝日新聞社 | 水戸藩尊王攘夷派(天狗党)の争乱を題材とした歴史小説。
越前入国を余儀なくされた天狗党は、新保村を過ぎ、敦賀に入ったところで非情な最期を遂げる。
第21回大佛次郎賞受賞。 |
幕末早春賦 | 有明夏夫 | 文藝春秋 | 大野藩医である土田龍湾は、門弟の宮四郎と人足を連れて城下を出発、浄念という少年に出会う。のちに少年は龍湾の門弟となり、宮四郎とともに蘭学を学ぶことになる。
大野藩の洋学をテーマとした小説。 |
虚空遍歴 | 山本周五郎 | 新潮社 | 武士を捨て、浄瑠璃の本質を追及しようと冲也は大阪に旅するが、行く先々で失敗を繰り返し、辛く苦しい旅となる。再起を図ろうと金沢へ向かった彼は、道中に出会った今庄の風景に、精神と身体が癒されていく。
浄瑠璃の世界を生きた芸術家の激しい一生を描いた1冊。 |
初心 | 佐伯泰英 | 祥伝社 | 八代将軍吉宗の命を狙う刺客との勝負を描く、時代小説シリーズ「密命」の17作目。
本作では、主人公の息子・金杉清之助が小浜城下で狼藉を繰り返す盗賊団「海天狗」と対峙し、戦いの舞台として敦賀半島や永平寺も登場する。 |