新収蔵品展2023
開催期間 | 2023年4月22日(土)~6月4日(日) |
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会場 | 福井県ふるさと文学館 |
内容 | 開館8周年を迎えた福井県ふるさと文学館は、これまで福井ゆかりの多くの資料を収集してまいりました。 このたび『日本百名山』で知られる作家・深田久弥の日記6冊が、没後50年以上を経て発見されました。学生時代の深田の日記には、芥川龍之介らとの交流、登山の楽しみなど青春の日々が綴られています。本展では、未発表の深田の日記を中心に福井ゆかりの資料を紹介します。 |
展示資料 | ★新収蔵品展2023一覧 |
深田久弥
深田久弥は、1903年に石川県の大聖寺に生まれ、白山を眺め育った。母の実家のある福井中学校(藤島高校の前身)に進学後は、小説の投稿を始めるとともに、登山や徒歩旅行に熱中しました。中学時代に何度も登った文殊山には、深田の落書きが残されています。
福井中学卒業後は東京の第一高等学校に進学。その後、東京帝国大学在学中に改造社編集部員となり、大学中退後は純文学の作家としての道を歩み始めました。戦後は小説から遠ざかり、1965年には、深田が実際に登った山から百座を選んだ『日本百名山』で、第16回読売文学賞評論・伝記賞を受賞。1971年に茅ヶ岳での登山中に死去した後も、深田の山岳紀行は現在も多くの人に愛読されています。
深田久弥の第一高等学校時代の日記
2022年に発見された日記は、深田久弥が、第一高等学校時代の1923年から1925年に綴ったものです。日記の一部から、当時の深田の青春の日々を追いました。深田の日記には、関東大震災の様子や、芥川龍之介や中野重治らとの交流、登山の楽しみ、文学青年の悩みなど、青春の日々が綴られています。深田久弥の日記を中心に、ゆかりの資料を紹介しました。
深田久弥と福井ゆかりの文人たち
深田久弥は1916年に福井中学校に入学し、1921年卒業しました。同級生に作家の森山啓、一級上に歌人の吉田正俊、二級上に中野重治、俳人皆吉爽雨、下級生に福井市長となる熊谷太三郎らが在籍していた。また、当時、福井中学では多田裕計や森山啓の父親が教師を務めており、その思い出をエッセイに残しています。
卒業後も、中野重治の同人誌『裸像』に参加、第一高等学校の『校友会雑誌』の編集を務め、高見順にその役割を引き継ぎました。同じ進路を辿り、第一高等学校に入学した熊谷とは、登山をするなど交流を深めました。
また、1948年6月の福井地震の際は、被災した多田裕計の家を見舞い勇気づけました。その後も、吉田が創刊し熊谷が復刊させた『柊』や皆吉の『雪解』などに折に触れ寄稿、三国の俳人・伊藤柏翠と句会で同席するなど、福井文人たちとの交流は続きました。
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