海外の有名な文学賞を受賞した、ティーンズのみなさんにおすすめの本をご紹介します。
アガサ賞 最優秀児童書・ヤングアダルト賞前年1年間にアメリカで初めて発表された生存する作家の作品が対象の賞です。1988年創設。児童書及びヤングアダルト部門は2002年に新設されました。主催団体のマリス・ドメスティックは、正統派ミステリのファンクラブで、この賞は、アガサ・クリスティの作風を継承する作品に贈られます。
賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年等 | アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門受賞 | 2019 | 『The Last Crysta』 | アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門受賞 | 2018 | 『Potion Problems』 | アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門受賞 | 2017 | 『Sydney Mackenzie Knocks ‘Em Dead』 | アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門受賞 | 2016 | 『暗号クラブ6:エンジェル島キャンプ事件』ペニー・ワーナー著 番由美子訳 KADOKAWA 2015 |
エドガー賞1945年創設。アメリカ探偵作家協会(Mystery Writers of America:MWA)主催。前年にアメリカで発表されたミステリー作品を対象に、5月ごろ選ばれます。最も優れたミステリー作品に贈られ、13の部門のうち、児童・ティーンズを対象にするものとして児童図書部門(Best Juvenile)およびヤングアダルト小説部門(Best Young Adult)があります。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年等 | エドガー賞 児童図書賞 | 2019 | 『きみのいた森で』ピート・ハウトマン著 こだまともこ訳 評論社 2021 | エドガー賞 児童図書賞 | 2018 | 『Vanished!』 | エドガー賞 児童図書賞 | 2017 | 『ぼくはO・C・ダニエル』ウェスリー・キング著 大西 昧訳 鈴木出版 2017 | エドガー賞 ヤングアダルト部門 | 2019 | 『Sadie』 | エドガー賞 ヤングアダルト部門 | 2018 | 『エレベーター』ジェイソン・レナルズ著 青木千鶴訳 早川書房 2019 | エドガー賞 ヤングアダルト部門 | 2017 | 『Girl in the Blue Coat』 |
カーネギー賞カーネギー賞は、フィクション・ノンフィクションを問わず、イギリスで出版された児童書の中で、もっとも すぐれたものに対し年に一度 贈られる、権威ある児童文学賞です。アンドリュー・カーネギー(1835~1919)の図書館界における業績をたたえ、1937年に創設されました。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年等 | カーネギー賞 | 2019 | 『詩人になりたいわたしX』 エリザベス・アセヴェド著 田中亜希子訳 小学館 2021 | カーネギー賞 | 2018 | 『世界のはての少年』 ジェラルディン・マコックラン著 杉田七重訳 東京創元社 2019 | カーネギー賞 | 2017 | 『凍てつく海のむこうに』 ルータ・セペティス著 野沢佳織訳 岩波書店 2017 | カーネギー賞 | 2016 | 『わたしの全てのわたしたち』 サラ・クロッサン著 最果タヒ訳 ハーパーコリンズ・ジャパン 2020 |
スコット・オデール賞1982年、スコット・オデールによって設立された歴史小説を対象にした賞。前年、アメリカの出版社から出版された、アメリカ人による作品で、新世界(南北アメリカ)を舞台にした子ども向け、ティーンズ向けの歴史小説が対象となります。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年等 | スコット・オデール賞 | 2020 | 『Butterfly Yellow』 | スコット・オデール賞 | 2019 | 『希望の図書館』 リサ・クライン・ランサム著 松浦直美訳 ポプラ社 2019 | スコット・オデール賞 | 2018 | 『この海を越えれば、わたしは』ローレン・ウォーク著 中井はるの、中井川玲子訳
さ・え・ら書房 2019 | スコット・オデール賞 | 2017 | 『Full of Beans』 |
全米図書賞全米図書賞は、1950年に全米出版者協議会やアメリカ小売り書店協会などにより創設されました。現在は、全米図書財団に運営が移り、児童文学部門は、アメリカ人によって書かれた子どもやティーンズ向けの作品の中から、主に文学としての完成度という観点から5人の選考委員によって選ばれます。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年 | 全米図書賞 児童文学部門 | 2020 | 『King and the Dragonflies』 | 全米図書賞 児童文学部門 | 2019 | 『1919 The Year That Changed America』 | 全米図書賞 児童文学部門 | 2018 | 『詩人になりたいわたしX』エリザベス・アセヴェド著 田中亜希子訳 小学館 2021 | 全米図書賞 児童文学部門 | 2017 | 『Far from the Tree』 |
ニューベリー賞
1922年以来毎年アメリカ児童文学にもっとも貢献した優秀作品に贈られている賞。アメリカ図書館協会の児童部会が運営しており、英語圏の児童文学賞としては、イギリスのカーネギー賞と並んで権威があります。対象は、アメリカの国民または在住者によって前年にアメリカ国内で初めて出版された英語の作品。次点作は、「オナーブック」と呼ばれます。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年 | ニューベリー賞 | 2020 | 『New Kid』 | ニューベリー賞 | 2019 | 『スアレス一家は、今日もにぎやか』メグ・メディナ著 橋本恵訳 あすなろ書房 2019 | ニューベリー賞 | 2018 | 『ハロー、ここにいるよ』エリン・エントラーダ・ケリー著 武富博子訳 評論社 2020 | ニューベリー賞 | 2017 | 『月の光を飲んだ少女』ケリー・バーンヒル著 佐藤見果夢訳 評論社 2019 |
フェニックス賞1985年、Children's Literature Associationにより創設されました。20年前に英語で出版された作品のうち出版時に主だった賞を受けなかったものに毎年贈られる賞で、既刊の再評価という点で貴重な存在です。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年 | フェニックス賞 | 2020 | - 『Many Stones』
| フェニックス賞 | 2019 | - 『スピリット島の少女: オジブウェー族の一家の物語』ルイーズ・アードリック著 宮木陽子訳 福音館書店 2004
| フェニックス賞 | 2018 | 『Restless Spirit』 | フェニックス賞 | 2017 | - 『リヴァプールの空』 ジェイムズ・ヘネガン著 佐々木信雄訳 求龍堂 2002
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ボストングローブ・ホーンブック賞ボストングローブ(新聞社)とホーンブック(児童文学評論誌出版社)がスポンサーの児童文学賞。1967年創設。6月から翌年5月までの1年間にアメリカで出版された本を対象にしています。受賞作には、ニューベリー、コールデコット受賞作家の作品が多いですが、カーネギー、グリーナウェイ受賞作品や非英語圏からの翻訳作品もあります。当初はテキストと絵本の2部門だけでしたが、1976年からフィクション+詩、ノンフィクション、絵本の3部門となりました。受賞作と次点(Honors)が発表されます。)が設けられます。ここでは、ティーンズ向けに、フィクション+詩、ノンフィクションの2部門をご紹介します。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年 | ボストングローブ・ホーンブック賞 フィクションと詩部門 | 2020 | 『King and the Dragonflies』 | ボストングローブ・ホーンブック賞 ノンフィクション部門 | 2020 | 『Infinite Hope: A Black Artist’s Journey from World War II to Peace』 | ボストングローブ・ホーンブック賞
フィクションと詩部門 | 2019 | 『The Season of Styx Malone』 | ボストングローブ・ホーンブック賞
ノンフィクション部門 | 2019 | 『This Promise of Change: One Girl’s Story in the Fight for School Equality』 | ボストングローブ・ホーンブック賞
フィクションと詩部門 | 2018 | 『The Poet X』 | ボストングローブ・ホーンブック賞
ノンフィクション部門 | 2018 | 『Photographic: The Life of Graciela Iturbide』 | ボストングローブ・ホーンブック賞
フィクションと詩部門 | 2017 | 『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ』 アンジー・トーマス著 服部理佳訳 岩崎書店 2018 | ボストングローブ・ホーンブック賞
ノンフィクション部門 | 2017 | 『Vincent and Theo: The Van Gogh Brothers』 |
マイケル・L・プリンツ賞2000年1月設立。アメリカ図書館協会(ALA)のヤングアダルト部門(YALSA)が主催するもので、同部門のメンバーとして長年活躍した故プリンツ氏の名にちなんで設立されました。既設のMargaret A. Edwards Awardが優れた「作家」に贈られるのに対し、プリンツ賞は優れた「作品」に贈られます。フィクション、ノンフィクション、詩、アンソロジーなど、作品の分野は問わず、前年にアメリカで出版されたすべてのティーンズ作品が対象となります。 賞 | 受賞年 | タイトル・著者・訳者・出版社・出版年 | マイケル・L・プリンツ賞 | 2020 | - 『Dig』
| マイケル・L・プリンツ賞 | 2019 | - 『The Poet X』
| マイケル・Ⅼ・プリンツ賞 | 2018 | 『We Are Okay』 | マイケル・Ⅼ・プリンツ賞 | 2017 | - 『MARCH 3』
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