評論・ノンフィクション

岡倉天心

茨城県天心記念五浦美術館所蔵

東洋の美を世界に知らしめた国際人

福井藩士の家に生まれる。幼い頃から漢籍・英語を学び、文部省勤務を経て、設立に携わった東京美術学校(現・東京藝術大学の前身の一つ)校長となる。『東洋の理想』『茶の本』を海外で出版。近代日本美術界を指導し、横山大観、菱田春草らを育てた。

生没年:1862(文久2)~1913(大正2)
出生地:神奈川県生まれ


主な作品

タイトル出版者出版年
東洋の理想ジョン・マレー社1903
日本の覚醒センチュリー社1904
茶の本フォクス・ダフィールド社1906


桑原武夫

写真提供 文藝春秋

戦後京都学派の中心人物

幼少期を敦賀の港町で過ごし、京都帝国大学を卒業。スタンダールの『赤と黒』、アランの『芸術論集』を翻訳するなど、フランス文学を広く日本に紹介する一方、「第二芸術」で俳句の文学性を論じるなど、広範におよぶ文学研究を行った。

生没年:1904(明治37)~1988(昭和63)
出生地:敦賀町(現・敦賀市)生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
フランス印象記 弘文堂書房1941
回想の山山七丈書院1944
現代日本文化の反省:第二芸術論 白日書院1947
文学入門岩波書店1950
思い出すこと忘れえぬ人文芸春秋1971

関連展示

没後30年桑原武夫展 平成30年11月3日(土・祝)~12月24日(月・休)
ふくい山の文学展 平成20年6月10月(火)~7月31日(木)

山崎朋子

社会の底辺で生きる女性に光をあてる女性史家

13歳で母の郷里の下庄村(現・大野市)に疎開。福井大学で学び、小学校教師を経て上京。1973年、南方へ売られた「からゆきさん」を描いた『サンダカン八番娼館』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。歴史に翻弄された女性に光をあて続ける。

生没年:1932(昭和7)~ 2018(平成30)
出生地:長崎県生まれ


主な作品

タイトル出版者出版年
サンダカン八番娼館筑摩書房1972
あめゆきさんの歌文藝春秋1978
サンダカンまで朝日新聞社2001

関連展示

追悼山崎朋子さん 平成30年11月3日(土・祝)~12月24日(月・休)

石川九楊

写真提供 文藝春秋

書くことの今昔を追究する現代書家

武生に育ち、5歳より書に親しむ。1978年に化学会社を退社、書塾を設立し書家として独立。『書の終焉』でサントリー学芸賞、『近代書史』で大佛次郎賞受賞。書表現の可能性を模索する作品を発表するかたわら、「書く」ことの本質を解き明かす評論を書き続ける。

生没年:1945(昭和20)~
出生地:粟田部町(現・越前市)生まれ

主な作品

タイトル出版者出版年
書の終焉 同朋舎出版1990
日本書史名古屋大学出版会2001
筆蝕の構造筑摩書房2003
代書史名古屋大学出版会2009
書のスタイル文のスタイル筑摩書房2013
石川九楊自伝図録左右社2019
河東碧梧桐文藝春秋2019
思想をよむ、人をよむ、時代をよむ。ミネルヴァ書房2021
俳句の臨界左右社2022

関連展示


ふるさと文学館新収蔵品展 令和3年4月24日(土)~令和3年6月13日(日)
秋季企画展 石川九楊の世界 書という文学への旅  令和2年10月23日(金)~令和3年1月23日(日)