ふるさと文学館新収蔵品展
| 開催期間 | 2021年4月24日（土）～2021年6月13日（日） |
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| 会場 | 福井県ふるさと文学館 |
| 内容 | 開館６周年を迎えた福井県ふるさと文学館は、これまで皆様から多くの資料をご寄贈いただきました。今回は、昨年からこれまでにご寄贈いただいた資料を中心とする当館収蔵品展を開催します。三国に暮らした三好達治や、三好達治を師とあおいだ詩人則武三雄、小浜市出身の詩人・児童文学者山本和夫、越前市出身の書家・評論家石川九楊など、郷土とゆかりの深い作家の貴重な資料を紹介します。 |
三好達治(みよしたつじ)～三国に暮らした流浪の詩人～
三好達治は１９００（明治３３）年、大阪市に生まれました。三好達治は1944（昭和１９）年に小田原より三国に移住し、５年間過ごしました。福井での生活は詩の革新や再出発の契機となり、越前・三国を「わが心のふるさと」と語るほど愛しました。福井を去ったあとも、福井県民歌や大野高校校歌などを作詞しています。
三好達治の作品世界
三好達治は、1930年に新しい詩の可能性を追求した第１詩集『測量船』を刊行し、抒情的な作風で絶大な人気を博しました。また、四行詩の分野を開拓した『南窗集』や四行で記した短歌『日まわり』も発行しています。
1944年に福井に疎開してからは、国の存亡や自身の孤独を古典的な作風で詠いました。1952年には、洒落や風刺を利かせた『駱駝の瘤に跨って』を刊行、それまでの詩作により芸術院賞を受賞するなど、生涯にわたり詩を愛し、詩人として活躍しました。
展示資料紹介
〇三好達治書幅「三国高等学校校歌草稿」（初公開）
1948年制定。作詞三好達治、作曲林伯人。現在歌われている三国高校校歌1番にある「はるかにのぞむ白山の/雪の嶺よりいや清く/心高かれ若人は」の部分が揮毫されている。鉛筆と筆で加筆・修正を加えながら書かれており、三好が言葉を厳選しながら作詞したことが分かる。
〇愛用品等（初公開）
三好達治を師と仰いだ詩人則武三雄が保管していた三好達治の愛用品の数々。和竿、炭斗、菓子器など則武が箱書きを記している。和竿は三好が三国で愛用していたもの。三国の豪商森田家の別荘で暮らした三好の生活が思い起こされる。
則武三雄(のりたけかずお)～福井に文学の種をまいた詩人～
則武三雄は1909（明治42）年、鳥取県米子市に生まれ、一九歳で朝鮮に渡り約一七年間を過ごしました。終戦後は師・三好達治の誘いを受け、三国へ移住、三好達治が三国を去ったあともこの地に留まりました。
則武が自宅で立ち上げた「北荘文庫」は、独自の出版活動を行うとともに、文化サロン的な役割も果たし、則武を慕って多くの人が集いました。交友の広さを裏付けるように、則武が多様な紙に揮毫した詩や言葉が県内外に残っています。
則武三雄について、もっと詳しく知りたい方はこちらまで
石川九楊(いしかわきゅうよう)～書くことの今昔を追究する現代書家～
石川九楊は1945(昭和20)年、今立郡粟田部町（現越前市）に生まれ、武生で育ちました。武生第三中学校で師・垣内楊石に出会い、藤島高校を卒業し京都大学法学部に進学する際、九頭竜川の一字をとって「九楊」の号を享けました。大学在学中には友人と書の団体を設立し、作品を発表するなど書家としての活動を始めました。1978（昭和53）年に化学会社を退社、書塾を設立し書家として独立。『書の終焉』でサントリー学芸賞、『日本書史』で毎日出版文化賞、『近代書史』で大佛次郎賞を受賞しました。書表現の可能性を模索する書作品を発表するかたわら、「書く」ことの本質を解き明かす評論を書き続けています。
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山本和夫(やまもとかずお)～平和を尊ぶ詩人・児童文学者～
山本和夫は1907（明治40）年、遠敷郡松永村（現小浜市）に生まれました。豊かな自然の中で育った山本は、詩や歌に自然の営みの素晴らしさを表現するようになり、1929年に第１詩集『仙人と人間との間』を刊行しました。
その後、戦争の犠牲になる子どもたちを目の当たりにした山本は、平和の尊さを呼びかけ、戦争の残酷さや、平和への祈りを込めた詩、次代を担う子どもたちのため偉人の伝記や、自然の中での素朴な暮らしを描いた児童文学作品を多く著しました。山本はふるさと福井の自然と文化を愛し、世界の子どもたちの幸せを願いながら生涯、作品を書き続けました。ご寄贈いただいた約三千点の資料の一部を紹介します。
挑戦しよう！クイズ(pdf 895kb)
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