企画展示「マット・マイヤーさんのイラストで読む越前奇談怪談集」

開催期間・場所2023年6月23日(金)~8月23日(水) 9:00~17:00 福井県文書館閲覧室
内容 本展示では、越前国(嶺北地方と敦賀市)にまつわる奇談・怪談を取り上げます。奇妙な話や怪しい話には口伝えで語り継がれてきたものもありますが、ここでは地誌(地理書)や逸話集、奇談集など「書物に記された話」が対象です(展示資料の概要(PDF:2.6 MB))。
 奇談・怪談をより深く楽しむため、
マット・マイヤーさん(PDF:1.0 MB)が描きおろしたイラスト作品も展示しています。よく知られた有名なものから、ここでしか読めないものまで、20以上の奇談・怪談がありますので、どうぞお楽しみください。
関連イベント7月30日(日)14:00~15:30:ゆるっトーク「奇談・怪談・妖怪談義」 ※終了しました
ポスターマットさんポスター(PDF 21 MB)

展示の様子

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展示内容紹介

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画像 越前奇談怪談集(1)柴田勝家の亡霊

(1) 柴田勝家しばたかついえ の亡霊
天正11年(1583)4月24日、柴田勝家は羽柴秀吉はしばひでよしに敗れて自害。以後、毎年4月24日の夜、福井の人々は外出を控えた。
出典:A0143-02632「真雪草紙」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(2) 大火を煽る大法師
(2) 大火をあお大法師おおほうし
寛文9年(1669)の大火では天守をはじめ福井城の大部分が焼き尽くされた。この大火事の前後には様ざまな怪異が起こった。
出典:A0143 -02735「謾録」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(3) 妻に化けた大猫
(3) 妻に化けた大猫
ある日突然、妻が2人に増え、本物と偽物の見分けがつかなくなる。人がハエを払うときは手を使うが、妖怪ならばどうする?
出典:A0143-21215「越前国古今名蹟考 巻之五」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(4)東尋坊の悪霊
(4) 東尋坊とうじんぼうの悪霊
東尋坊は悪僧の名に由来する。この崖から突き落とされた東尋坊は、悪霊となり、毎年4月5日に暴風雨を起こしたという。
出典:A0143-21206「越前地理指南」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(5) 夜叉ヶ池
(5) 夜叉ヶ池やしゃがいけ
夜叉が池(南越前町)には、いく種類もの伝説が伝わり、泉鏡花いずみきょうかによって戯曲にもなった。本書はそれとは異なる話を載せる。
出典:A0143-02632「真雪草紙」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(6) 白鬼女
(6) 白鬼女しらきじょ
北陸道と日野川水運の交わる交通の要衝ようしょう・白鬼女の渡し(越前市・鯖江市)。この怪しいイメージを呼び起こす地名の由来譚ゆらいたん
出典:A0143-02736「帰雁記」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(7) 月代の皮
(7) 月代さかやきの皮
江戸時代の武士は前頭部から頭頂部をり上げ(月代)、まげを結った。めでたい元日、縁側に月代の皮が落ちていたという奇談。
出典:A0143-02074「越有雑語集」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(8) 行灯の油を舐める小児
(8) 行灯あんどんの油をめる小児
菜種なたね油や魚油ぎょゆを用いたため、「化け猫」はしばしば油を舐める。小児の場合「油赤子あぶらあかご」「油嘗あぶらなめ赤子」などと呼ばれたようである。
出典:A0143-02073「南越見聞雑記」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(9) 漆ヶ淵の龍
(9) 漆ヶ淵うるしがふちりゅう
強欲な商人が自分で作った龍に食われる話。兄弟の利益争いの話としても伝わり、同様の話が東北地方でも確認されている。
出典:A0143-21215「越前国古今名蹟考 巻之六」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(10) 金ヶ崎、海上の怪異
(10) 海上の怪異
雨降る夜、金ヶ崎の海上に出現する船や城、輿こしや馬に乗る人びと。無念の魂が見せる怪異か、はたまた蜃気楼しんきろうのなせるわざか。
出典:X0142-00346「越前国名蹟考 巻之一」山内秋郎家文書


画像 越前奇談怪談集(11) 九頭竜
(11) 九頭竜くずりゅう
八重巻やえまき村(福井市八重巻町)や九頭竜川の地名の由来譚ゆらいたん。白山信仰では、九頭竜王は白山神(十一面観音)の仮の姿とされている。
出典:X0142-00294「帰雁記」山内秋郎家文書


画像 越前奇談怪談集(12) 海中の怪牛
(12) 海中から来た怪牛かいぎゅう
敦賀市横浜・つるぎ神社で1月4日に行われていた神事「宮の行い」では、怪牛退治のおどしの呪文が唱えられていたという。
出典:A0300-00015「福井県管下越前国敦賀郡神社明細帳」旧福井県庁文書


画像 越前奇談怪談集(13) 松岡の霊火
(13) 松岡の霊火れいか
本資料の著者は、この霊火を、永正3年(1506)朝倉宗滴あさくらそうてき加賀かが一向一揆いっこういっきを皆殺しにした際の「燐火りんか」と推考すいこうしている。
出典:A0143-21215「越前国古今名蹟考 巻之七」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(14) 元覚堤の人柱
(14) 元覚堤げんかくづつみの人柱
本多富正ほんだとみまさ九頭竜くずりゅう川左岸に築いた堤防は、その号にちなみ元覚堤と呼ばれた。大規模な工事にはつきものの伝説がここにも…
出典:X0142-00298「越前国名蹟考 巻之七」山内秋郎家文書


画像 越前奇談怪談集(15) 隅櫓下の巨大スッポン
(15) 隅櫓すみやぐら下の巨大スッポン
福井城西北の隅櫓は幾度もの大火を潜り抜け、築城時の面影を残す怪異スポット。ここはこの世ならざるものが見える場所。
出典:A0143-02632「真雪草紙」原本:松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(16) 老カワウソの手
(16) 老カワウソの手
便所から出た手が尻をで、切り落された腕を取り返しに来る怪談は各地に伝わる。腕の主は河童かっぱが一般的なようである。
出典:A0143-02074「越有雑語集」原本:松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集(17) 孫右衛門が嬶
(17) 孫右衛門まごうえもんかか
おおかみが肩車で梯子はしごをつくって人間を襲う「狼梯子」の話は、高知・島根・新潟など各地に伝わり、「千疋せんびき狼」とも呼ばれている。
出典:「新著聞集 奇怪篇第十」原本:国立公文書館蔵内閣文庫


画像 越前奇談怪談集(18) ぼた餅化物
(18) ぼた餅化物
床下の声は何者の仕業?タヌキ、キツネ、ネコ、イタチ、カッパ、カワウソ、ウゴロモチ(モグラ)いずれでもない。ならば…
出典:「東遊記 後篇五」原本:国立公文書館蔵内閣文庫


画像 越前奇談怪談集(19) イモリの妖
(19) イモリのばけもの
舞台は杣山城跡そまやまじょうあと(南越前町)。山中のいおりを訪れる12~15センチほどの小さな人間たち。その正体は南北朝時代にさかのぼる…
出典:「伽婢子 巻之十」原本:国文学研究資料館蔵


画像 越前奇談怪談集(20) イッパクの霊
(20) イッパクの霊
隅櫓の幽霊の怪談をお雇い外国人グリフィスが記録。松平忠直ただなお一伯いっぱく)の愛妾あいしょう一国女いっこくじょの幽霊と思われるが、混同がみられる。
出典:「A Daimio’s Government」福井大学附属図書館画像提供


画像 越前奇談怪談集(21) 抜け首
(21) 抜け首
ろくろ首は首が伸びるが、抜け首は胴体から抜けた首が浮遊する。女性の例が多く、魂が抜け出たものと説明されている。
出典:「曾呂利はなし 巻第一」原本:東京都立図書館蔵


画像 越前奇談怪談集 (22) 隅櫓下の巨大ゴイ
(22) 隅櫓すみやぐら下の巨大ゴイ
福井城西北の隅櫓は幾度もの大火を潜り抜け、築城時の面影を残す怪異スポット。ここはこの世ならざるものが見える場所。
出典:A0143-02632「真雪草紙」松平文庫(当館保管)


画像 越前奇談怪談集 (23) 若宮淵のヌシ
(23) 若宮淵わかみやふちのヌシ
長い年月、池や川などにんで巨体化した生物はヌシと呼ばれる。足羽川若宮淵の大ナマズもこの淵のヌシであろう。
出典:A0143-02632「真雪草紙」松平文庫(当館保管)

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